こんにちは。『院長が現場を離れる仕組み作りの専門家』小樋将太郎です。
今回は治療院の値上げについてお伝えしていきます。
私は3年前スタッフを10人以上雇用しながら、保険のみの治療院を1年半かけて平均単価7500円の院にしていきました。
その中で多くの失敗と経験を繰り返し、今の平均単価にしていくことができました。
今回は、私が行ってきた値上げの経緯や多くの失敗、そして成功事例、スタッフを抱えながらの値上げについて全て事細かくお伝えしていきます。
この文章があなたの治療院で値上げを行う時の教科書となることは間違いありませんし、ぜひ私の経験がお役に立てば嬉しく思います。
では、早速進めていきたいと思います。
私の院は広島県の広島市にあるのですが広島市には原爆手帳と言う、とても特殊な医療助成があり原爆手帳をお持ちの患者さんは、窓口負担が1割、2割、3割の方でも負担金は0円が当たり前の地域です。
ですから原爆手帳をお持ちの方は医療にお金を使うと言う概念がそもそもありません。
私の院でも原爆手帳をお持ちの患者さんが6割を占め、毎日のように患者さんが連日来院されていました。
私が治療家になった理由は、自身のヘルニアを整骨院で治してもらった経験から柔道整復師になり、23歳の若さで開業したのも一人でも多くの自分と同じような境遇の患者さんをサポートしていきたいという思いがあったからです。
目次
慰安系の患者さんが7割~8割で値上げに【大失敗】
しかし、いざ開院してみると昔の私のような患者さんは1割、2割にとどまり残りの7割、8割の患者さんは慰安傾向の強い患者さんでした。
そのような治療院を運営したくて開業したわけではありませんでしたので、自分自身の院なのにも関わらず、患者さんを『回していく』スタイルの治療院に嫌気がさしていきました。
交通事故の患者さんも保険のみの患者さんも、毎日100人以上来院されていましたので、売り上げも毎月500万円近くあったのですが、私は私のやりたいことを優先し保険のみの患者さんを診ない決断をしました。
実際に行ったことと言えば、窓口料金0円の状態を一気に継続課金制を導入し、毎月5400円の会員費を頂いて、5000円の治療費が2500円になりますよ。というような単純なコースを作りました。
賢いあなたはもうお気づきかと思いますが、いきなり、何も準備をしていない状態でしたので、7、8割の患者さんが離脱をしてしまうという悲惨な結果になりました。
本院には私を含めてスタッフが5人いたのですが、患者さんが来られない為、スタッフが患者さんに入れないという状況が2ヶ月間続きました。
これが私の値上げ人生の一つ目の失敗です。
そこから集客にも力を入れ、徐々に半年かけて売り上げも、以前の3分の2まで戻したのですが、次にぶつかった壁がスタッフの金額ブロックでした。
一回の治療に保険を使わずに30分は時間をかけていた為、1分単価の治療費が平均100円ぐらいになり、全く利益が出ない状況になってしまいました。
その為、さらに値上げをして1分あたりの治療単価を150円に上げようとスタッフに伝えたのですが、スタッフから
『これ以上金額を上げてしまうと患者さんが定期的に通うことができない。』
『かと言って治療時間を減らしてしまうと治療効果が出ない。』
と言われてしまいました。
上記のような話はスタッフを抱えながら治療院経営をしていたら、どこの治療院でもぶつかってしまう壁だと思います。
しかし、私はこのような問題も一つずつ解決していき、今の平均単価の7500円にすることができました。
とても前置きが長くなりましたが、これからスタッフさんを抱えながら、値上げを成功させていく為の考え方やテクニック必要なツールを
具体的にお伝えしていきますので、しっかりと頭に入れて値上げを実行して頂きたいと思います。
値上げの成功マニュアル
- 値上げをする際の先生自身のマインド(考え方)
- 現状の平均単価、リピート率、カルテ枚数、稼働率の把握
- 値上げについてきてくれる既存の患者さんのセグメント分け
- 患者さんへのコンタクト頻度の上昇と説明
- スタッフさんへの値上げをする理由と説明
- テスト導入
- 値上げの告知文
実際にスタッフさんを抱えながら値上げを成功させる為には以上の7つの施策を行っていかなければなりません。
それを一つ一つ解説していきたいと思います。
①値上げをする際の先生自身のマインド(考え方)
値上げの際のマインドについてお伝えしていきます。まず、最初にあなたにお聞きしたいことがあります。
『あなたは本当に値上げがしたいですか?』
もちろんこの文章をここまで読んで下さっているあなたは、治療単価を上げもっと治療院経営を上手く軌道に乗せたいと思っているはずです。
しかし、治療単価の高い院が凄いわけでも、逆に治療単価の低い院が劣っているわけでもないのです。
治療単価が高ければ間違いなく来院できる患者さんの数は限られてきます。治療単価が低ければ来院できる患者さんの数は多くなっていきます。
これは必ず起こる世の中の構図です。
ホテルでも安いホテルは数を呼び込めますし、高いホテルでは数より質を求められます。
あなたはどちらの院経営をしていきたいのか?ここを大事にして頂きたいと思います。
ただ、最も大事にしていかなければならない根本的な考え方として、毎月利益をしっかりと出せる院になっているのか?
ここを外してしまったら院経営を存続させることはできません。
- 平均単価3000円ぐらいで、ある一定数の患者さんを呼び込むのか?
- 平均単価5000円ぐらいで、ある程度悩みのある患者さんを呼び込むのか?
- 平均単価10000円以上で難治性の患者さんを呼び込んでいくのか?
もちろんスタッフさんや店舗数に応じて、この価格設定も決めていかなければなりません。
スタッフを多く抱えて店舗展開している院が、一回の治療単価7000〜8000円以上で運営するには、かなりのブランディング力がなければ運営は難しいですし
数人のスタッフで治療単価2000円以下では治療院に利益が残っていきません。
値上げにはこのような外的な要因も加わってきます。
しかし、私が大事にしている考え方が利益を残せた上で、あなた自身が『どんな治療院にしていきたいのか?』ここが値上げにおいても大事なことだと思っています。
まずはこれからの展望もしっかりと考えた上で、将来的な値上げの価格を決めていって頂きたいと思います。
そして将来の展望が決まったのであれば、目標に向かって値上げに取り組んで頂きたいと思います。
値上げをすることは、とても勇気のいることです。
そんな時に挫けない心を保つ為には、あなた自身がどんな治療院にしていきたいのかを明確にして取り組んでいく必要があるのです。
その目標が無ければ患者さんからのクレームや離脱患者さんが出てきた時に、心が折れて元の治療単価に戻してしまうことをしてしまうのです。
この考え方こそが値上げをする際に大切なマインドとなってくるのです。
②現状の平均単価、リピート率、カルテ枚数、稼働率の把握
とは言っても値上げは『えいや』っと言ってすぐにできるものではありません。
経営で最も信じられるものは数字です。過去の数字、現状の数字をもとに値上げ後の予想を立てていかなければなりません。
その為には現状の
- 平均単価
- 平均のリピート回数
- 平均のカルテ枚数
- 稼働率
を正しく出していく必要があるのです。
平均単価
最初は平均単価です。
平均単価は整骨院で言えば交通事故や労災、物販などの金額を除いた平均単価を出さなければなりません。
現在、自費だけの治療院であれば、そのままの平均単価を出すだけで十分です。補足として平均単価の出し方をお伝えしておきますが
総売り上げ÷総施術数=平均単価200万円÷600施術=3,333円
これが平均単価です(交通事故・労災・物販は除く)
平均単価は値上げの際に値上げ価格を決めていく上で指標となる数字です。
20%平均単価が上がればリピート回数、カルテ枚数が変わらない状態であれば、売り上げが20%上がります。
200万円の売り上げが20%上がれば240万円です。まずは価格を決めていくにしても現状の平均単価をしっかりと理解しましょう。
平均のリピート回数
次に平均のリピート回数です。
月の平均リピート回数が4回だとすると、値上げをしたことによってリピート回数が大幅に減ってしまったのでは、いくら値上げをしたと言っても売り上げのキープどころか、売り上げが下がる可能性があります。
まずは、現状の平均リピート回数を把握して、値上げをしてもリピート回数を下げない施策や、逆に上げる施策なども考えていけるのです。
このリピート回数を上げる施策などは後ほどお伝えしますが、まずは現状のリピート回数を把握するところから始めて下さい。
平均のリピート回数の出し方をお伝えしておきます。
総施術数÷カルテ枚数=平均リピート回数です。600施術÷200枚=3回
この場合、平均リピート回数は3回となります。このようにリピート回数は出していきます。できれば直近の3ヶ月間をまとめた平均リピート回数を出せたら数字に信憑性が増していきます。
平均のカルテ枚数
次は平均のカルテ枚数です。
これは単純ですが、一月に来られた患者さんの人数のことを指します。一月に200名患者さんが来られたのであれば200枚のカルテ枚数になります。
もちろんこの数が20%増えて240枚になっても、平均単価やリピート回数が変わらなければ売り上げは20%UPしていきます。
逆に平均単価が20%UPして、カルテ枚数が20%ダウンの160枚になったとしても売り上げ自体は変わりません。
このように現状の数字を考えながら価格をいくらに設定していくのか考えていくのです。
稼働率の把握
次に稼働率です。
この稼働率は値上げをしていく上で、とても大事な数字なのですが、残念ながら稼働率を出していない院が多く見られます。
大手の治療院でも出していない現状もありますが、小規模の院こそこの稼働率は正しく出していかなければなりません。
まずは稼働率の説明をします。稼働率とは『院でどのぐらいの時間患者さんに対応しているか』の指標です。
例えば、1日8時間労働だとすると分数に直せば、1日480分働けることになります。そのうち実際に患者さんに対応している時間が、
360分だとすると360分÷480分×100=75%
この場合は稼働率75%ということが分かります。
これを院全体で月ごとに出していかなければなりません。値上げをする際はスタッフさんがいる院でしたら、稼働率が70%を超えている状態で行うことがとても安全牌です。
スタッフさんが1人や2人の場合の院は75〜80%で行っていくと良いでしょう。
稼働率が低い状態で値上げをしてしまったら、患者さんの離脱が多かった場合、スタッフさんが患者さんに入れなくなる状況が出てきますので、売り上げも下がりとても危険です。
もし、現在稼働率が低い状態なのであれば、まずは集客やリピートを徹底し稼働率を上げていくことを優先して下さい。
そもそも稼働率が低いということは、集客かリピートが上手くいっていないという証拠ですので、値上げをする前に患者さんへの満足度や価値の提供をもう一度見直さなければなりません。
その為には正確な稼働率を出していかなければなりませんので、必ず院全体で稼働率を出していくようにして下さい。
まずは初めて値上げをする際は20%値上げを推奨します。
院によってそれぞれ違いますが、もちろん私のクライアントさんで、40〜50%の値上げを行い上手くいっている院もありますが、それは入念に準備をした賜物によるものです。
まずは、稼働率70〜75%以上が3ヶ月以上続くようであれば、平均単価が20%アップするような値上げを行って頂きたいと思います。
上記のような状態の場合、しっかりと準備をしていけば大幅に離脱が起こることも滅多にありませんし、必ず値上げをすることによる売り上げUPが見込めます。
だからこそあなたの院で値上げをする前には
- 平均単価
- 平均リピート回数
- 平均カルテ枚数
- 稼働率
を正確に計算し、把握しておくことが必要になってくるのです。
これこそが経営と言えます。
この計算をしない値上げはただの博打です。スタッフさんを雇用しながら経営者は博打をしてはいけません。
勝負を仕掛ける時は明確な数字に裏付けされた動きをすることが盤石な経営と言えるのです。
③値上げについてきてくれる既存の患者さんのセグメント分け
次に患者さんのセグメント分けです。
患者さんをセグメントに分けるという言葉はあまり好きではないですが、
やはり、、、
- 患者さんにも値上げについてきてくれる患者さん
- 通院しようかどうしようかと揺れ動く患者さん
- 値上げについてきてくれない患者さん
の3パターンが存在します。
しかし、私たちが値上げの際にいつも足を引っ張られてしまうのは、いつでも値上げについてきてくれない患者さんなのです。
クレームや愚痴、質問が一番多いのも、値上げについてきてくれない患者さんです。
しかし、私たちが本当に大事にし、しっかりと丁寧に時間をとって説明していかないといけない患者さんは、値上げについてきてくれる患者さんや通院しようかどうかと揺れている患者さんです。
値上げについてこられない患者さんに時間を取られたり、何かクレームを言われて落ち込んでいる時間はないのです。
もちろん、スタッフさんにもしっかりとセグメントのことを伝えて、患者さんにスタッフさんが何か言われていたらサポートしてあげることも必要です。
あなたの院のカルテを見直して、どの患者さんに一番フォローが必要なのか、しっかりと把握し適切なフォローを心がけてください。
補足ですが、美容ではなく治療をメインにしている治療院で、慰安傾向の強い患者さんが多いのであれば値上げには向いていません。
まずは、しっかりと集客から見直して下さい。
カルテを見返していく際に慰安傾向が多ければ、まだ値上げをする時期ではありません。
治療と慰安の割合が8対2の割合で治療をメインとしている患者さんが多いのであれば、20%値上げをしたとしてもほとんど離脱が起こることはありません。
④患者さんへのコンタクト頻度の上昇と説明
次に患者さんへのコンタクト頻度の上昇と説明です。
先ほどのリピート率UPの話にも繋がるのですが、値上げをする際にどれだけ患者さんと先生や院との間で信頼関係を築けるのか?
ここに限られてくると言っても過言ではありません。
あなたが常に行っている飲食店でも、お店との信頼関係が強ければ(ファンであれば)お店が多少の値上げをしたとしても通い続けるはずです。
値上げの根底には必ず『信頼』という言葉があります。
では、どのように信頼関係を築いていくのか一つ一つ説明していきます。
治療院の本質的な価値はなんと言っても治療を受けた患者さんの体が改善し、困っていたことが減り、やりたいことができるようになることです。
その為には、患者さんのそもそもの困っていることや、あなたの院に通っている本当の通院目的を聞き出して【それが叶う院ですよ】
と明確に示してあげることが必要になってきます。信頼関係とは患者さんを応援する姿勢から生まれます。
患者さんの通院目的を明確にして、『一緒に患者さんの目標に向かって頑張りましょうね。』という姿勢を見せることから、患者さんは喜び、感動し先生へ信頼を寄せていくのです。
その為に、
- あなたの体はなぜ痛みが出ているのか?
- あなたにあった治療方法とは?
- あなたにあった治療計画とは?
この説明をしっかりとしていかなければなりません。
回数で言うと最低7回以上です。
なぜなら、人は7回同じことを説明されないと理解できないと言われています。そして、15回同じことを説明されないと腑に落ちないと言われているからです。
だからこそ、何回も何回も同じことを言って説明し続けるのです。
患者さんも来られる回数によって、同じことを先生に言われても、捉え方が変わっていきますので、患者さんとしては日々新しいことを言われているような感覚です。
しかし、先生としては同じことの繰り返しで、もう説明しなくても理解してくれているでしょ。と思われがちですが、決してそんなことはありません。
何回も何回も同じことを説明してあげて下さい。その姿勢も患者さんから信頼を抱いてもらえる大きな要因です。
これが値上げの際に必要な本質的な価値です。
そして次に付加価値ですが単純接触効果と言って、人は1回会うより2回、2回会うより3回と接触頻度が多いほど、信頼を寄せるという実験結果が出ています。
治療後のメールやハガキ患者さんにとって有益な情報となるニュースレター(ない場合は当院のニュースレターを参考にして下さい。12ヶ月分のニュースレターをプレゼント。)
そして治療計画などを記した患者さんに渡す用のステップレターなど、どんどんあなたの院と患者さんが接触できるような機会を増やしていくことが、値上げをする際にはとても重要になってくるのです。
そして現在使っているボールペンやバインダー、院内の清潔さや、受付さんや先生の身だしなみも、もっと精度を高めていくことが大事です。
ぜひ、その辺りも意識して値上げの際に取り組んで頂けると、院のレベルの底上げにも繋がるのでチャレンジして頂きたいと思います。
これが患者さんとのコンタクト頻度の上昇と説明の、本質的価値と付加価値の上げ方です。
⑤スタッフさんへの値上げをする理由と説明
次にスタッフさんへの値上げをする理由と説明です。
このスタッフへの説明を怠って値上げをしてしまうと、以前の私のような状態になりスタッフからブーイングが起こります。
しかし、今ではスタッフから『値上げをしましょう。』と言ってきてくれるようになるまでになりました。
これからスタッフさんへの説明や対応を、どのよう行っていったかをお伝えしていきます。
まずは『なぜ』値上げをする必要があるのか?ここをしっかりと説明していかなければなりません。
ただ売り上げを上げたいだけではスタッフさんは納得してくれませんし、スタッフさんが患者さんに説明する際に想いや熱意が伝わりません。
値上げをすることで売り上げを上げることももちろんですが、稼働率の高さによるスタッフさんへの体を気遣った上での値上げや、福利厚生の充実などスタッフさんへの利益も伝えなければなりません。
それだけではなく
患者さんへのサービス・満足度の向上や、技術研修を設けて技術の向上をする為の費用に充てるなど
治療院院・スタッフ・患者さんの3者がWIN・WIN・WIN
になっていく為に値上げを行っていくことを本気で思って伝えなければ必ず値上げは失敗に終わります。
『なぜ』値上げをするのか?必ずスタッフさんへの説明を怠らずに行って下さい。
次にどのような計画でどのように行っていくかの説明です。
あなたが値上げに不安を抱くように、スタッフさんも値上げには相当な不安と恐怖がつきまとってきます。
- 患者さんに文句を言われたらどうしよう…
- いつも来てくれている患者さんが来なくなったらどうしよう…
- 何て患者さんに説明したら理解してくれるだろうか…
あなたと同じように、現場にいるスタッフさんはとても不安に思っているはずです。
その不安を減らしてあげる為にも、どのぐらいの期間で、どのぐらいの値上げをしていくのか。患者さんの説明はどのようにしていくのか。
など、院全体で決めていき、どのスタッフさんが患者さんに質問されたとしても、ある程度同じ答えができるように統一していかなければなりません。
患者さんから質問されるかもしれない質問の答えをあらかじめ用意しておき、スタッフ皆で考えて作っていき、患者さんに丁寧に説明できるようにしておかなければなりません。
そしていつでも何か困ったことがあれば『サポートするよ。』という姿勢をリーダーが見せていくこともあなたの重要な役割となってます。
必ずスタッフさんには遅くても3ヶ月前には事前に説明し、一つずつ協力してもらえるように説明をして頂きたいと思います。
⑥テスト導入
次にテスト導入です。
値上げにもテスト導入を必ず行っていきましょう。
例えば院長だけが新患さんから実践していって、数字が上がると判断できたら次にスタッフさんも新患さんに値上げのコースを提案していくなど、
それぞれの治療院ごとでミニマムなテストを導入し結果が出ることを確信できたら、徐々に値上げに踏み切る。
このような流れを作って頂きたいと思います。
先ほどもお伝えしましたが経営は博打ではありません。
現状の数字の把握やテスト導入をし、ある程度確信できる数字に裏付けされた行動をとっていかなければなりません。
このようにテスト導入をしていくことで、限りなく大きな失敗を防ぐことができますし、安心して値上げを行うことができます。
治療院で値上げというと、とても不安で怖いイメージがあるかもしれませんが、このように段階を踏んで行っていく値上げは様子を見ながら行うことができるようになる為、緊迫感が減り心の余裕も生まれます。
もちろん分院をお持ちの先生でしたら、まずは一つの院でミニマムなテスト導入をし、上手くいけば分院でも実行していくと良いでしょう。
経営は博打ではなく51%を取りに行く。(50%までは、はただの博打です)
この言葉を絶対に忘れないで下さい。
⑦値上げの告知文
最後に値上げの告知文です。
この告知文で絶対に書いてはいけないことは、自分勝手な値上げの事情です。
値上げの告知文は必ず患者さんにとって、有益になるように作っていく努力をしなければなりません。
それぞれの院に合った値上げの告知文がありますが、私の院で行った値上げのお告知文を以下に記載します。
値上げの告知文
いつも数ある治療院の中から当院を選んで頂きありがとうございます。患者様にはいつも『ありがとう』の言葉、笑顔を頂き本当に感謝しております。
お陰様で多くの患者様にご来院して頂けるようになり、嬉しく思っている反面、患者様お一人に対する時間が十分に確保できなくなっている状況です。
その為、患者様お一人お一人の時間を十分に確保させて頂くため料金の改定と完全予約制を導入することに致しました。
時間を短くし患者様への治療の質も落としたくないですし、真剣に身体を治したいと思われている患者様の治療院であり続けたいと思っています。
現在の料金は〇〇〇〇円でさせて頂いておりますが、改定後は〇〇〇〇円とさせて頂きます。来院が月に3回以上来られる患者様には会員制度の料金プランを用意致しましたので、別紙をご参考にして下さい。
患者様お一人お一人に、しっかりと説明させて頂きますので、ご不明な点があれば近くのスタッフにお申し付けください。
これからも患者様の幸せを一番に精進してまいりますので、〇〇〇〇院を今後とも宜しお願い致します。
〇〇〇〇治療院
院長〇〇 〇〇
この文章が実際に私の院で行った値上げの告知文です。
もちろんそれぞれの治療院によって文章は異なりますが、このような流れと内容で告知をされることをお勧めします。
何回も言いますが、絶対に私たちの都合を押し付けるような文章ではなく、患者様に有益になるような文章を作成して頂きたいと思います。
とても長くはなりましたが、この【値上げの極意】でもある7つの仕組みを守り、値上げを行って頂くことで、値上げに失敗することはまずありえません。
これがあなたの治療院で行う値上げ教科書であり値上げの極意です。
ぜひ、参考にして頂いて徐々にあなたの院の理想とする、治療単価に近づけて頂けると、とても嬉しく思います。
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そして、値上げをしようと思っているけどなかなか踏み出せないあなたに、さらに値上げについて詳しく書いている値上げの極意のPDFをプレゼント致します。
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あなたの院の値上げが成功することを心から応援しております。ぜひ、すぐにでも行動に起こしてもらえると嬉しいです。
本当に長くはなりましたが、最後までご覧頂きまして本当にありがとうございました。この文章が参考になった方は、ぜひシェアして値上げに悩んでいる先生に届けて頂けるととても嬉しいです。
では、またお会いしましょう!
『院長が現場を離れる仕組み作りの専門家』代表:小樋将太郎
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