第5話:④新人スタッフさんへの教育方法

第5話:④新人スタッフさんへの教育方法

今回は『新人スタッフへの教育方法』についてお伝えしていきたいと思います。

様々なスタッフ教育の本でスタッフさんとの関わり方、怒ってはいけない、叱ってはいけない、優しい社長は会社を駄目にする。

など色々な本が出ていますが、スタッフさんを教育する上で大切なのは、上記の様な表面的なことではなく、根本的なところの関係構築ができてないと、いくらスタッフ教育を頑張っても、なかなかスタッフさんは気持ちよく動いてくれなかったり、協力的になってくれなかったりしますので、まずはその土台についてお伝えしていきたいと思います。

この土台さえしっかりと出来ていれば、あとは何を導入しようと、何をルール化しようと、何をマニュアル化しようと、それはスムーズに動き始めます。

ですのでこの土台を大事にできない院さんはスタッフ教育ができないと思っていただいても過言ではないと思います。

まず一言で表すと、『何を言うかではなく誰が言うか。』になります。この関係性が築けるかどうかがスタッフ教育において重要なポイントになります。

例えばトイレ掃除を頼んだとき、嫌いな先輩や信頼していない人に言われてしまうとトイレ掃除に力が入らなかったり、やる気にならなかったりします。

同じ技術指導でも、この先輩から教われるのだから頑張ろう、この先生から教われるのだから頑張ろう。となると技術に対する意欲的な取り組みが変わってきます。結局同じことを言っても誰が言うかで、その人の対応や反応というものは変わってくるのです。

したがって院長先生や教育者の先生たちが、そのような人間になれているのかというところが、教育者としては一番の課題になるのです。

何を言うかではなく誰が言うかという関係性はどの様な関係なのかというと、信頼関係がそもそも必要になります。

信頼関係はどの様な関係なのか、信頼関係を築くためにはどの様な関係を築けばいいのかというところなのですが、それは『相手が大切にしていることを大切にする事』ができると信頼関係が築けるようになります。

例えば、スタッフさんには将来こういう夢があって、こんな先生になりたいんだ、こういう治療家になりたいんだ、こういう家庭を築きたいんだ。という夢があるとします。

それを応援してあげたり、サポートしてあげたり、随所に気にかけてあげたりすることによって、この先生は私の思いや夢を大切にしてくれる人なんだという認識が入ります。自分自身のことを大切にしてくれる人のことを、人は必ず大切にします。

したがって、人が大切にしていることを大切にする。これが信頼関係を築く上で重要なファーストステップなのです。

そこからさらにスタッフさんが親御さんを大事にしてる、子供さんを大事にしてるというのが分かれば、親御さんの誕生日に一声かける、子供さんの誕生日に一声かけたり、何かあったら心配したり、物心ともにサポートするというその様なところを大事にしています。

私たちは半年に1回スタッフカルテというものを作っています。スタッフさんの大切にしていることや、大切にしている人、物を知る事、今の夢や、どういう気持ちで働いているのか、どういう価値観で働いているというものをヒアリングするシートになるのですが、

その様なシートを1 on 1で聞き出して、『今こういうことを大切にしながら働いているんだね。』ということをお互い認識し合って応援するという関係性を築きます。まず教育をする前に私達がスタッフさんに関わっていくという事を大事にしています。

大切にしていることを大切にするから信頼関係が生まれ、信頼関係が生まれるから、何を言うかではなく誰が言うかという関係性になれるのです。

この関係性ができると、次の共有ゾーンに入っていくのですが、会社の思い、スタッフさんの思い、それぞれ二つの丸があるとして、この信頼関係性ができているからこそ私のことをこんなに応援してくれている、大切にしてくれている。

この会社の思い、方向性、理念も大切にしようという気持ちになり、会社とスタッフさんの思いが交差する部分が共有ゾーンと言われるところなのですが、共有ゾーンが生まれ始めていくと、仕事が動き始めていくという形になります。(動画でわかりやすく解説しています。)

よく共同体感覚と言われているのですが、人数の必要なスポーツをしているときに一致団結して目標に向かっている感覚です。

あの感覚が共同体感覚に似ており、私もこの一員だし、会社も私にとって大事な存在という形で、お互いに寄り添った仕事、治療院運営ができるようになってくるというのが共同体感覚です。

まずはこの関係性を築けるかどうかがスタッフ教育の鍵になりますので、まずマニュアルを手に取り、スタッフをどうやって教育すればいいのか叱り方、怒り方、褒め方などのテクニック的な部分ももちろんすごく大事ですが、結局共同体感覚が備わってないとそのテクニックは全く生活かされないのです。

まずは信頼関係、共同体感覚を作れるようにしていくことを治療院の學校はで行っていきます。

だからこそ治療院経営だけではなく、家族との関係性ももちろん良くなりますし、親戚との関係性も良くなります。そして治療院経営、スタッフ教育がうまくいくようになれば、人間関係がうまくいくようになります。

そしてこの様な関係性が築けたとしても新人スタッフさんには見て覚えろではいけませんし、考えて動けではいけません。

新人スタッフさんはリソース(資源)を持っていませんので考えるよりもまずは教えてあげないといけないのです。

順番としては、しっかりと見せてあげる。そして見せた内容をなぜこの様にやったのかを背景まで含めて説明してあげる。そして実際にやってもらい、出来ているところと出来ていないところの両方のフィードバックをしっかりとしてあげます。

そしてまた見せて説明して、やってみてもらいフィードバックをしてあげるという順番が大切になります。ここをしっかりと時間をかけ、教育していくという根気もスタッフ教育にはすごく重要になりますので、これを見てくださっている先生方は昔修行時代で見て覚えろとう時代があったかと思いますが、現在は通用しにくくなってきていますので上記のことを参考にして教育をしてみて下さい。

次回はこの様な基本的なことができるようになりましたら、自発的に動いてほしい、自発的に考えて仕事をしてほしいと思うようになりますので、そういう人たちに育っていくためにはどうすればいいかという教育方法をお伝えしていきたいと思います。

まずは新人スタッフさんへの教育方法というところで、書いてあることをしっかり自分自身に叩き込んでください。

教育ができるようになってくると、最初は小さいかもしれませんが、どんどん院が増え、スタッフさんが増え、いい関係性で会社を大きくしていけるようになっていきますので、ぜひ参考にしてチャレンジしてみていただきたいです。ぜひ、動画でご覧下さいね!!